如斯亭/勝手の雄弓1

 菅江真澄は秋田県を中心に東北北海道を紀行し、200を越える著書を残している。その多くは「菅江真澄遊覧記」全5巻に現代語訳で収録されている。その中に「勝手の雄弓」と言う紀行文があり、その足跡を訪ね歩いてみることにした。「勝手の雄弓」は秋田市手形から太平川沿いに秋田市太平の勝手神社を目指して歩いた紀行で、比較的短く、私にとっても馴染みの道でもあるから手始めとして最適と思えたからだ。ただ真澄が当時どこに住んでいたかもわかっておらず、どこからスタートしたかもわかっていない。ただ本文の記述からとりあえず如斯亭から始めることとした。

 10月13日(土)、秋田市旭川南町の如斯亭(じょしてい)を訪れた。

 如斯亭は正式名称は旧秋田藩主佐竹氏別邸で、佐竹氏の居城であった久保田城(現在の千秋公園)の北方約1kmの位置にある。3代藩主義処にここを下賜された家臣が別荘を建てたが、5代藩主義峯が鷹狩りの帰りの休憩所として利用したために藩に献上され、9代藩主義和の時代にほぼ現在の姿へ庭園が整備された。そして家臣で儒学者であった那珂通博が如斯亭と命名した。唐見殿(からみでん)とも呼ばれ、菅江真澄は「勝手の雄弓」では「からみでん」と記述している。如斯亭の住所は秋田市旭川南町だが、道路を挟んで向かい側の地名は秋田市手形からみでん。
 廃藩置県で佐竹氏が東京に移り住んだ際に家臣に譲渡され、その後は民間の手にあって料亭などで利用されていたが、平成22(2010)年に秋田市へ無償譲渡され、母屋を解体して調査され、再び組み立て直して庭園も整備され、昨年10月から一般公開されている。
 下の写真の道を左に曲がるとすぐに受付がある。入園料200円。年間パス500円。ボランティアガイドさんを頼めるようで、受付で案内して頂いた。ここに来たのは初めてなので、やはりガイドさんに説明していただけるのはありがたいことである。
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この12畳の部屋で殿様は庭園を眺めたとのこと。
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私も座って眺めてみた。
庭園が良く見られるように、柱の間隔は広く造られている。
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柱の間隔が広いため強度に問題が出るが、それを補うために上部に工夫がされているとのこと。
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これは何だろうか。ガイドさんに聞けば良かった。
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こちらは殿様専用のトイレ。
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このケヤキは推定樹齢550年で、元禄年間(1688-1704)に造られて約330年経つ如斯亭よりも古い。大きなケヤキがあったからここに庭園を造ったのかも知れない。
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庭を散策した。
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こちらは東門で、鷹狩りの帰りにここから入ることが多かったらしい。
外側の塀は農家の様式に合わせて、周囲の雰囲気から浮き上がらないように配慮されたとのこと。
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しかし内側は白い塀となっている。
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この斑点は病気なのだろうか。それともこれが正常なのだろうか。
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ツツジが狂い咲き。
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この様に空洞化しているのに青々と葉が繁っているのはなぜだろうか。
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小川のせせらぎが聞こえる。水量が少なくても、落差などを計算してせせらぎを発生させているとのこと。
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小川の終わりに茶室があった。と言っても正式の茶室ではない。庭園を散策してせせらぎを楽しみながらここで一服したらしい。
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 如斯亭は期待以上に素晴らしい庭園だった。ボランティアガイドさんの説明も分かりやすくて良かった。如斯亭は年末年始を除いて無休。ガイドさんの話では雨の日も、雪積もる冬もなかなか風情があるとのこと。年間パスを購入したことだし、定期的に訪れてみたい。



秋田市ホームページの如斯亭についてページ
https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1002685/1013885/1002284.html

現在は存在しないが、ここに「菅江真澄の道」の標柱があったらしい。
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この記事へのコメント

2018年10月30日 21:55
こんばんは。

如斯亭ですか。
じょしていと読むんですね。
初めて知りました。
佐竹氏と縁が深いのですね。
いい感じのところですね。
吹き景色の時はまた趣があっていいのでしょうね。
数年のうちに、秋田青森の真冬の列車の一人旅に出かけようと密かに計画してます。
2018年10月30日 22:07
こんばんは。
難しい読み方ですね。
一般公開されたのですね、綺麗な庭園ですね初めての時はやはり、ガイドさんに
説明してもらう方が、わかりやすいかもですね。
何度か訪れるとまた、違う趣となるのでしょうね。
2018年10月31日 08:01
こんにちは、
流石に佐竹の殿様の別邸と言われる様にユッタリとして気品がありますね、それと見晴らしが良いが柱を抜くと地震に弱い、昔の人の知恵が屋根裏に工夫がなされ330年経ってもビクともしない、ゆったりと周りあの茶室で一服も良いですね。
2018年10月31日 09:35
菅江真澄も、如斯亭も初めて知りました。
屋根の構造など、建築学的にも興味があるところです。
アオキの斑入りですね。園芸種です。
松は幹が空洞になっていても表皮が根元から植えに繋がっているところがあれば生きていられます。盆栽はわざとそのような作りにする事が多いです。
2018年10月31日 23:44
さすが 藩主のお屋敷ですね。
重厚な造りのでありながら 優雅で
情緒感じる 素晴らしい 建物です。
散歩に疲れたら せせらぎを楽しみながら
お茶を一服 そんなひと時を楽しみたい
です。
2018年11月01日 20:58
こんばんは
サッと通ってしまう処も
ガイドさんに細かに説明して
貰えば心に残りますね
2018年11月02日 10:23
如斯亭、なつかしく名前は思い出しましたが、行ったことはありません。
今度里帰りの時はぜひ行って見たいと思います。
故郷の母も今年他界しましたので、帰るのも少なくなりそうですが、まだまだ行って見たいところはたくさんあります。
旭川の名前も校歌にあり、懐かしいです。
菅江真澄の名前もお恥ずかしながら山形へ来てから知りました~~。
2018年11月02日 15:11
立派なお屋敷と、素敵なお庭
素晴らしいですね。一般公開
されているのは嬉しいですね。
年間パス、活用してくださいね~。
2018年11月02日 16:37
こんにちは

秋の静けさと
相まって
心落ち着きますね
お茶でも一服
2018年11月04日 21:18
トトパパさん、コメントありがとうございます。
秋田青森ご旅行の予定ですか。ブログ記事が楽しみです。期待しています。
2018年11月04日 21:29
こんばんは~
如斯亭の事は恥ずかしながら知りませんでした。
年を経へて、民間から公の管理になり
歴史を知り、建物や色々な流れを
伝えていくのは大切ですね。
いつもありがとうございます。
2018年11月04日 21:42
ゴンマックさん、コメントありがとうございます。
そうですね。やはりガイドさんの説明があると助かります。もちろん知識なしでも感性だけでも楽しめますが。でもやっぱり最初はガイドがいた方が良いです。
2018年11月05日 10:44
おはようございます。
旧秋田藩主佐竹氏の別邸、代々受け継がれ、如斯亭として公開されているのですね。
広間から見られる青々としたお庭は歴史を感じさせるところですね。
気持ちもゆったりと落ち着ける場所ですね。
古木も盆栽の様で、見る価値ありますね。
2018年11月10日 11:05
素敵なお屋敷に庭園
説明がありますと
尚一層興味深くなりますね
2018年11月11日 08:24
「勝手の雄弓」と言う紀行文にあるその足跡をたどるんですか。
という事は、現在どうなのかが検証できますね。
1811年(文化5年)真澄58才の書とあり、二百年の経過で様変わりでしょうか。
検索すると、「菅江真澄と歩く旅の記録」なる記事が出てきました。
端的にまとめた短いものですが、残っている写生図との比較もあって、分り易いです。

如斯亭は上記には載っておらず、詳しく行かれることが解ります。
年間パス500円でガイドさんをお願いできるなんて親切ですね。
天井の斜かいと太い横木で、揺れに強い構造にしています。
用途不明の長い棒は、賊に対する防御用具でしょうか?
殿様専用のトイレに成程ですが、客人用は別にあるんですね。
庭園も素晴しく、殿様がここでのんびりしていた様子が想像できました。
2018年11月13日 21:05
Yoshiさん、コメントありがとうございます。
地震と火災の多いこの国で、300年以上も残る木造建築と言うのも凄いことですよね。
如斯亭は大名庭園と言うほどのものではないかも知れませんが、なかなかの名園だと思いました。
2018年11月13日 22:52
長さん、コメントありがとうございます。
青々としたアオキバや、葉の周囲が黄色いのは普通だと思っていましたが、斑入りは病気かと思っていました。でも園芸種だったのですね。勉強になりました。ありがとうございます。
盆栽でもお馴染みですが、空洞化してもしっかりと生きている植物の生命力はすごいですよね。

2018年11月14日 21:02
如斯亭ですか、知りませんでした。とても上品でシンプルな和の趣でいっぱいですね。藩主の鷹狩りの休憩所だったのですね。
ここでゆっくりすると、心身共に疲れがとれて爽やかな気分になりそうです。年間パスで様々な季節に訪れることができるのがいいですね。
2018年11月15日 21:57
フラバーバさん、コメントありがとうございます。

如斯亭の周囲は現在は住宅街となってますが、藩政時代は田んぼしかなくて遠くまで見晴らしが良かったそうです。それでも母屋から眺めた風景はなかなかのものでした。考えてみれば藩主の眺めた庭を一般人の私も同じように眺められると言うのは凄いことかも知れませんね。眺めるだけでなく散策出来るのも良いですよね。
2018年11月16日 21:07
すーちんさん、コメントありがとうございます。
ボランティアガイドさんはありがたい存在ですよね。
私も定年退職したらボランティアガイドをやってみたいと思ってます。
2018年11月16日 21:45
山形ママンさん、コメントありがとうございます。
如斯亭は私も初めて訪れました。足を運ぶ価値はあると思います。
菅江真澄は越後から庄内を通って由利に入りました。「秋田のかりね」に鼠ヶ関から三崎峠に至る庄内の様子を記録しています。なかなか興味深いですよ。
2018年11月16日 22:05
ふーうさん、コメントありがとうございます。
そうですね。年間パスを活用したいですね。
私の自宅からなら自転車で20分位の場所なので、さほど苦もなく行くことが出来ます。
2018年11月17日 20:59
無門さん、コメントありがとうございます。
私もここでお茶を一服してみたいです。
2018年11月20日 20:14
つむぎさん、コメントありがとうございます。
この様な庭園を民間で所有管理し続けるのは難しいですからね。
これも時代の流れでしょうね。
2018年11月20日 20:36
ロシアンブルーさん、コメントありがとうございます。
如斯亭庭園は母屋から座って眺めるのも良いですが、庭を歩いて回れるのも良いです。別邸の庭園なのでそれほど大きくはないのですが、とても趣味の良い庭園だと思いました。

2018年11月20日 21:30
ジュンさん、コメントありがとうございます。
ボランティアガイドさんはありがたい存在です。
確かに素晴らしい庭園ですが、何の知識もなければ良くわかりませんからね。説明していただけると、一層興味が湧きます。
2018年11月20日 22:15
アルクノさん、コメントありがとうございます。
「菅江真澄と歩く旅の記録」は私も参考にさせていただきました。大変素晴らしいサイトですよね。如斯亭は「勝手の雄弓」の本文の冒頭部分に名称が出てくるだけです。当時は藩主の別邸だったので、気軽に寄られる場所ではなかったはずです。たぶんこの時真澄は如斯亭の前を通り過ぎただけだと思います。だから「勝手の雄弓」の足跡を辿る旅で取り上げるべきではないかも知れません。でも私は如斯亭を訪れたことがなかったので、この際だから寄ってみることとしました。
ガイドさんのお話では、藩主の便をチェックして健康状態を調べていたそうです。だから藩主専用の便所があったとか。
私もあの長い棒は槍か何かだと思ったのですが、確認すれば良かったと後で思いました。
2018年11月21日 21:21
ミクミティさん、コメントありがとうございます。
如斯亭が佐竹氏の別邸であったことは知っていたのですが、実際に訪れたのは初めてでして、驚きの連続でした。期待以上に良かったです。また訪れてみます。

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