能代市散策

 3月22日(日)、秋田県能代市を訪れた。目的は能代市旧料亭金勇で行われる金勇キルトフェスティバルを観るため。しかし昨今の新型コロナウイルスの影響でイベントは中止していた。じつは秋田から1時間ほどドライブして現地で中止を知った次第で、事前で確かめるべきだった。しかしまあ誰もいない静かな金勇をゆっくりと見学するはこれはこれで良かった。

昨年の金勇キルトフェスティバルの様子は私の過去ブログをご覧ください。

能代市旧料亭金勇
明治23(1890)年に能代市中心部に料亭として建てられた。現在の建物は昭和12(1937)年に建て替えられたもの。天然秋田杉を豊富に使った、木都として栄えた能代を代表する木造建築物である。能代は米代川河口に位置し、米代川上流域から運ばれる天然秋田杉などの集積、加工、出荷の港町として栄えた。平成20(2010)年に料亭としては廃業したが、建物の保存を求める声が高まり、翌21年に能代市に寄贈された。平成25(2013)年より能代市旧料亭金勇として一般公開され、イベント会場としても利用されている。ここでは調理は行われていないが、近隣の和食料理店の料理を金勇のお座敷で楽しむことが出来る。

能代市旧料亭金勇ホームページ

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能代七夕で市内を練り歩く天空の不夜城の模型

平成27(2017)年の能代七夕のブログ記事もどうぞ。
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能代七夕の昨年のポスター
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金勇の一階廊下
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金勇の庭
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庭の写真はこの部屋から
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本因坊戦がこの一室で行われた。
第73期本因坊戦第3局が平成30(2018)年6月2~3日にここで行われ、白番本因坊文裕が挑戦者山下敬吾九段を中押し勝ちで退けた。
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第69期本因坊戦第2局が平成26(2014)年5月25~26日にここで行われ、白番井山裕太本因坊が挑戦者伊田篤史八段を中押し勝ちで退けた。
第71期本因坊戦第3局が平成28(2016)年6月2~3日にここで行われ、黒番井山裕太本因坊が挑戦者高尾紳路九段を中押し勝ちで退けた。

井山裕太は第67期、平成24(2012)年に本因坊のタイトルを奪取して以来、8期連続でタイトルを保持している。第71期で5連覇を達成し、永世称号として二十六世本因坊文裕を名乗る権利を得た。井山裕太は七大タイトルのうち、他に棋聖と天元を保持している。
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第38期女流本因坊戦第2局が令和元(2019)年10月27日にここで行われ、白番挑戦者上野愛咲美女流棋聖が藤沢里奈女流本因坊を中押し勝ちで下し、そのままの勢いで第3局第4局も制しタイトル奪取に成功した。

本因坊は囲碁の三大タイトルの一つでタイトル保持者と挑戦者が七番勝負を行い先に四勝した方が次のタイトル保持者となる。持ち時間8時間で、封じ手制で二日に渡って対局が行われる。優勝賞金2800万円。なお本因坊戦は性別によって限定されていない。ただまだ女流棋士が本因坊のタイトルを奪取したことはない。
女流本因坊は女流棋士限定のタイトルで、女流タイトルの中では最も歴史があり格式が高いとされている。タイトル保持者と挑戦者による五番勝負で、持ち時間は4時間。優勝賞金550万円。
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金勇二階の110畳の広間
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金勇を見学したあと、能代市内の北前船の遺産巡りした。
日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落」で、能代市の構成文化財は6件ある。それを巡ってみた。

最初に寄ったのは、金勇のそばにある八幡神社。
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八幡神社御神燈
北前船との交易で財を成した大阪の廻船問屋によって寄進された。
日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財の一つ。
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八幡神社境内に合祀された住吉龍神社
摂州の住吉大社は航海守護神として船乗りたちに篤く信仰され、多くの港町に住吉神社が勧請された。
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 JR五能線能代駅の駅前広場で、warockを放流した。3月1日に北秋田市阿仁を訪れ、阿仁合コミューンで頂いたwarockである。誰か拾ってくれるかな。warockは元は西オーストラリア発祥で、日本では秋田県北秋田市阿仁で始まり、秋田県内県外に広まりつつある遊びである。手のひらに乗る手ごろな小石にアクリル絵の具で絵や文字を書き込み、それを公園などに隠して誰かに見つけてもらう遊び。見つけた人はそれを自宅に持ち帰ったり、さらに別の場所に隠すのも自由。

阿仁合コミューンさんホームページ

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この下ですよ。
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北村凧提灯店(北萬)に寄ってみたが残念ながら閉まっていた。
かつては能代凧が能代の各地で作られていたが、現在はここ北村凧提灯店だけである。
数年前にここを訪れて、ご主人から詳しいお話を聞かせていただき、店内で写真もたくさん撮影させていただいたことがある。残念ながらその時のブログ記事は残っていない。

能代凧は日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財の一つ。

北村凧提灯店ホームページ

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能代凧はべらぼう凧とも呼ばれ、舌を出しているのが特徴である。これには魔よけの意味があるとの説が有力だが、確かなことは不明。
男べらぼうは芭蕉の葉が、女べらぼうには牡丹が描かれるのも特徴の一つ。
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米代川を渡り、向能代の稲荷神社を参拝した。
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向能代稲荷神社に合祀されている恵比寿神社には多くの船絵馬が奉納されている。残念ながら中に入ることが出来ず、その船絵馬を見学することは出来なかった。ただ窓ガラスからチラリと見えた。

恵比寿神社船絵馬は日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財の一つ。

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近くの向能代駅に寄ってみた。
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風の松原に面した 浄土宗大窪山光久寺を参拝した。
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南無阿弥陀仏
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光久寺の挽き臼の墓

 挽き臼の墓は紙谷仁蔵(かみやにぞう)の慰霊碑である。紙谷仁蔵は瀬戸内の塩飽諸島出身の北前船の船乗り兼船大工で、天保4(1844)に能代を訪れた。この年は江戸三大飢饉の一つである天保の大飢饉の年で、大雨による大洪水と冷害で特に東北の被害が甚大だった。飢餓に苦しむ人々を見た紙谷仁蔵は積み荷のコメをおかゆにして振舞ったと伝えられている。その後能代に移り住んでソバ屋を営んだので、慰霊碑の挽き臼はそれに因んだものである。
 塩飽諸島は古代から瀬戸内海の要所で、多くの優秀な船乗りを輩出した。戦国時代の塩飽水軍は諸国から怖れられ、秀吉も家康も味方につけるために注力した。江戸時代はどの藩にも属さずに自治領として認められ、河村瑞賢によって西廻航路が確立すると日本海海運に乗り出し、北海道から大阪に至る航海で活躍した。その廻船は金毘羅大権現の旗を掲げ、金毘羅信仰は彼らによって各地の港町に伝えられたと考えられている。

日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財の一つ。
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それから日和山の方角石を訪ねた。
日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財の一つ。
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日和山五輪塔
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以上で能代市内における日本遺産「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の構成文化財6件のうち5件を訪れたが、最後の1件の能代舟歌を紹介。能代舟歌は出雲節が起源である。YouTubeなどで歌を聴くことが出来るので、関心のある方は検索してみて下さい。

能代橋から沖眺むれば
三十五反の帆をまいて
米代川に入るとき
大きな声をば張り上げて
思い出しゃ船乗りやめられぬ
杉の名物能代の湊
積んだる荷物は柾目板
大森稲荷を後にして
恋しき湊をさしていく
波は船頭衆の子守歌




五能線
東能代-能代-向能代・・・・・・・・・・・・・・・・・深浦・・・・・・北金ヶ沢・・・鳴沢陸奥森田木造・・・・・・・・・川部

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この記事へのコメント

トトパパp
2020年04月06日 09:30
2020年04月06日 09:35
こんにちは

↑ごめんさい。
間違えて押しちゃいました。

キルトのイベントは中止ですか。
頃だからしょうがないですね。
旧料亭、立派な建物ですね。
いい感じですね。
天空の不夜城、本物だと凄いんでしょうね。
見てみたいです。
稲荷神社もいい感じですね。
降魔成道
2020年04月07日 21:34
トトパパさん、コメントありがとうございます。
キルトフェスティバルの中止は残念でした。ただ昨年のキルトフェスティバルでは多くの人が訪れていて濃厚接触状態だったから中止は予測できたはずなのに、確認せずに向かったのは失敗でした。でも他に客のいない静かな建物を見学で来たのはそれはそれで良かったと思っています。
2020年04月11日 09:41
さすが北前船の交流で栄えた港町。
立派な料亭にその面影がうかがえますね。
広間の規模の大きさにはびっくりです。
歴史を偲びながら街歩きするのは、
本当にいいなぁと思います。
(今の東京では無理だけど…)
2020年04月12日 09:27
おはようございます
折角いらしたのに
残念でしたね
コロナでイベントは殆んど
中止ですねー
2020年04月12日 19:32
能代は、北前船寄港地のひとつで、林業や貿易で栄えていたのですね。
そんな歴史の足跡が、日本遺産として大事に残されていくっていいことですね。旧料亭金勇の建築の立派さ。確かに見応えがありますし、中に入って特別な雰囲気を味わいたいものです。
こちらでも、イベントは中止ですか。それは仕方が無いのでしょうね。
能代凧のことは全く知らなかったですが、舌を出しているなんてユニークですね。これも、日本資産の構成資産なのですね。
いつか、ゆっくりと巡ってみたいところです。
降魔成道
2020年04月13日 19:55
yasuhikoさん、コメントありがとうございます。
旧料亭金勇は他にお客さんがいなかったので、畳に座ってゆっくりと庭園を眺めることが出来ました。
特定の歴史に関する遺産を巡るのも楽しいものですよね。
降魔成道
2020年04月13日 20:08
すーちんさん、コメントありがとうございます。
イベントはどこも中止ですね。秋田では桜祭りは当然のことながら、夏の竿燈まつりまで中止が決定しました。
降魔成道
2020年04月13日 20:22
ミクミティさん、コメントありがとうございます。
林業はもっと上流域ですが、その積出港として能代は栄えました。他に江戸時代に日本最大の銅山であった阿仁鉱山も上流域にあり、精錬と積出港としても栄えました。天然秋田杉や銅は藩が管理していたので民間の北前船が扱える物資であはありませんでしたが、それでも多くの北前船が寄港していました。
イベント中止はもう日本国内ほぼ全てですよね。早くコロナ禍が収束することを願うばかりです。

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