宮古市2021
1月4日(月)、青春18きっぷで岩手県宮古市を訪れた。今回の旅はIGRいわて銀河鉄道と三陸鉄道の鉄印をいただくことと、宮古の復興状況を確認すること。宮古では特に田老地区の被害が大きく、津波遺構たろう観光ホテルを一度実際に見てみたいと思った。ただ計画通りにいかないのが旅というもので、「トラベルはトラブル」を楽しんだ。なおこの日の前日の1月3日に修理が終わったと連絡が入り直ちに引き取りに行ったので、今回の写真は全て CANON EOS Kiss X9i による。
今回の旅程(予定)は
秋田発 5:54 大曲着 6:43 奥羽本線
大曲発 7:01 盛岡着 8:26 田沢湖線
盛岡発 8:40 青山着 8:43 IGRいわて銀河鉄道
青山発 8:55 盛岡着 9:00 IGRいわて銀河鉄道
盛岡発 11:06 宮古着 13:12 山田線
宮古発 13:18 田老着 13:37 三陸鉄道
田老発 15:33 宮古着 15:53 三陸鉄道
宮古発 16:09 盛岡着 18:22 山田線
盛岡発 19:02 北上着 19:56 東北本線
北上発 20:28 横手着 21:45 北上線
横手発 21:48 秋田着 23:05 奥羽本線
盛岡から田沢湖線経由で帰らないのは、この路線は秋田新幹線こまちが優先されていて在来線の本数が少なくて帰りのちょうど良い便がないため。北上線は1時間に1本程度走っているし、東北本線はそれ以上に走っているのでこちらは心配なかった・・・はずだったが、後述するが予定外の事態に遭遇することとなった。
盛岡駅に到着し、いわて銀河鉄道線へ。8:40発の列車に乗る予定だったが、田沢湖線が少し遅れたので1本後の9:12初の列車に乗ることとなった。これはホームにいた列車。IGRいわて銀河鉄道は第三セクターの鉄道会社である。東北新幹線が盛岡から八戸まで延伸したことに伴い、在来線の盛岡以北の東北本線がJRから経営分離された。このうち県境の目時駅(青森県三戸郡三戸町)を境に以南の岩手県側がIGRいわて銀河鉄道、以北の青森県側が青い森鉄道となった。
IGR7000系はJR東日本701系と基本的に同じ仕様で、JR東日本から譲渡されたものである。乗り慣れたJR秋田支社の701系と同様にロングシートの殺風景な通勤列車使用である。
9:12初の八戸行に乗車の予定
青い森703系のようだ。JR仙台支社管轄域でたくさん走っているE721系をベースとした車両である。
青い森鉄道には昨年9月に乗車した。IGRいわて銀河鉄道の車両にも乗車してみたかったな。
いわて銀河鉄道線青山駅に到着。ここ来たのは鉄印をいただくため。IGRいわて銀河鉄道の鉄印は青山駅でいただくことができる。
第三セクター鉄道等協議会加盟40社では御朱印帳の鉄道版とも言える鉄印帳の販売・記帳している。鉄印は三陸鉄道でもいただいたので、あとで一緒に紹介させていただくこととする。
あれれ?これはJRのキハ110系では。これは大館から花輪線経由の盛岡行のようだ。帰りもIGRいわて銀河鉄道の車両に乗ることが出来なかった。まあこんなこともあるだろう。
そしてJR山田線で宮古へ
キハ110形は両運転台、キハ111形は片運転台、キハ112形は片運転台(トイレなし)。キハ111形とキハ112形は基本的にセットで車両編成されている。
快速なので停車しない駅がいくつかある。料金的には普通列車と同じで青春18きっぷでも乗車できる。
JR山田線の車窓の風景
そして宮古駅に到着した。
ここで三陸鉄道に乗り換えて田老地区を訪れる予定だったが宮古発13:18の列車に乗り遅れてしまった。次が15:11だったので、三陸鉄道乗車は断念した。宮古には2017年9月以来である。前回も訪れたが道の駅みやこに寄ってみた。
2017年のブログ記事もどうぞ。
上の写真の右上の矢印の先にあるのがこの津波浸水表示ライン。
何度見ても驚かされる。東日本大震災は秋田県内には直接的な被害はなかったが、テレビで観た各地の被害状況は衝撃的だった。地震による被害は色々とあったが、三陸は津波による被害が一番甚大だった。三陸は複雑に入り込んだリアス式海岸ゆえに押し寄せた津波が増幅されて被害が一層拡大する。慶長三陸地震、明治三陸地震、昭和三陸地震などでも甚大な被害が出ている。田老地区では「田老万里の長城」とも呼ばれる高さ10m、長さ2.4kmにも及ぶ堤防が作られた。1960年のチリ地震津波では日本でも多くの被害が出たが、田老万里の長城はこれを撥ねつけて被害が出なかった。しかし東日本大震災では20mもの津波がこの地域を襲い、田老地区の被害は特別に大きかった。今回は三陸鉄道に乗り遅れて田老地区を訪れることは出来なかったが、宮古地区の被害も甚大だった。20m、30mといった堤防を作ればよいという単純な話ではないだろうし、対策は難しい。
道の駅みやこのレストランで遅めの昼食
道の駅の2階から眺めた宮古湾
道の駅みやこから宮古駅まで歩いたが、2017年よりだいぶ復興していることを実感した。あの時はまだ各地で工事が続いていたり、空き地も目立ったが、空き地はかなり減っていた。そして前回気付かなかったこの表示を歩道橋で見つけた。
宮古駅に戻り、鉄印をいただいた。
宮古駅には三陸鉄道のたくさんの車両が待機していた。
宮古市役所は宮古駅の裏手にあるが、駅側からあの通路で訪れることができるようだ。
「かいけつゾロリ」とは何だろうと検索してみたら、そのような児童書があり、それを原作としたテレビアニメがあったことを知った。
宮古駅で帰りの列車時刻を確認したら、大雪のために北上線が運休となっていることを知った。げ、それでは帰られない。盛岡での宿泊も頭をよぎったが、しかし田沢湖線は動いているのだから、盛岡から秋田新幹線を利用することを思いついた。
盛岡駅には東北新幹線E5系「はやぶさ」が停車していた。
少ししたらホームの反対側にE6系「こまち」が滑り込んできた。
盛岡駅まで秋田新幹線は東北新幹線と連結されている。しかしどう見ても「こまち」と「はやぶさ」がキスしているみたいだ。
盛岡駅で「はやぶさ」と「こまち」は切り離されて、こまちは田沢湖線経由で秋田へ向かう。
秋田新幹線はフル規格の新幹線ではなく、新在直通運転形、あるいはミニ新幹線と呼ばれる形式のもので、東京から盛岡までは東北新幹線を走るが、盛岡から秋田までは在来線の田沢湖線と奥羽本線経由で運転されている。新幹線の軌道は1,435mmであるのに対し、在来線は1,067mmである。田沢湖線は秋田新幹線開業に先立って約1年休止し、軌間を1,435mmに改軌工事した。奥羽本線(大曲-秋田)では在来線も走るので一方のレールから1,067mmの位置と1,435mmの位置に他方のレールが敷設されている。
E6系は秋田新幹線用に開発された、E3系の後継車両である。新幹線のレールを走るために軌間1,435mmとなっているが、全幅2,945mm(E5系は3,350mm)とスリムである。在来線を走るため、新幹線サイズの幅ではホームに接触してしまうからである。E3系は最高速度275km/hであるのに対し、E6系はE5系と同じ320km/hで、連結しても減速走行する必要がなくなった。

秋田新幹線は全席指定席だが、思った通りガラガラで立席券でも座ることが出来た。
JR大曲駅。白い丸は撮影ミスによるものではなく、雪である。
大曲で下車したのは夕食を取るため。たぶんどこの自治体でも行っていることと思われるが、秋田県では「秋田県プレミアム飲食券」、秋田市では「秋田市飲食店応援クーポン」という事業が行われている。大仙市では「秋田市飲食店応援クーポン」は利用できないが、「秋田県プレミアム飲食券」を利用するつもりで下車したのだが、この大雪で駅前のお店は飲み屋以外は閉まっていた。

仕方ないので秋田まで在来線で帰った。下の写真は秋田駅前。大曲駅前に比べればたいぶ少ないが、雪が積もっている。
色々とトラブルもあったが、旅そのものはとても楽しかった。
鉄印
02 三陸鉄道
03 IGRいわて銀河鉄道
04 秋田内陸縦貫鉄道
05 由利高原鉄道
東北「道の駅」スタンプラリー(49/163)
秋田県(31/33)
01 たかのす 大太鼓の里
02 ふたつい きみまちの里
03 にしめ はまなすの里
05 はちもり お殿水
07 かみおか 茶屋っこ一里塚
08 ことおか 土笛の里
09 東由利 黄桜の里
11 象潟 ねむの丘
12 なかせん ドンパン節の里
13 おがち 小町の郷
14 てんのう 夢と神話の里
17 みねはま ポンポコ101
18 さんない ウッディらんど
20 あに マタギの里
21 ひない 比内鶏の里
22 五城目 悠紀の国 五城目
24 美郷
25 きょうわ 四季の森
26 十文字 まめでらが~
27 おおがた
29 こさか七滝 樹海ライン
30 大館能代空港
31 うご 端縫いの郷
33 おが なまはげの里
青森県(9/28)
03 虹の湖 虹の湖公園
10 なみおか アップルヒル
14 もりた アーストップ
15 浅虫温泉 ゆ~さ浅虫
17 いなかだて 弥生の里
23 つるた 鶴の里あるじゃ
24 ふかうら かそせいか焼き村
岩手県(4/33)
24 厳美渓 もちと湯の郷
28 みやこ シートピアなあど
32 平泉 黄金花咲く理想郷
山形県(5/21)
03 寒河江 チェリーランド
13 庄内みかわ いろり火の里
15 天童温泉 わくわくランド
奥羽本線
山形-北山形-羽前千歳-南出羽-漆山・・天童・・・・・村山・・・・・新庄・・真室川・・・院内-横堀-三関・湯沢・・・柳田-横手-後三年・大曲・刈和野・・・和田-四ツ小屋-秋田-土崎-上飯島-追分-大久保-羽後飯塚-井川さくら-八郎潟-鯉川-鹿渡-森岳・東能代・・二ツ井-前山-鷹ノ巣・・下川沿-大館・・・碇ヶ関-長峰-大鰐温泉・弘前・川部・・・・新青森-青森
田沢湖線
いわて銀河鉄道線
盛岡-青山
山田線
東北本線
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
素敵な青い車両、とてもかっこいいですね。
東北新幹線の車両もかかっこいいですね。
雪景色もいいですね。秋田は雪がたくさん降りましたか。
今年も楽しい旅を続けて下さいね。
自動車道は積雪で立ち往生が相次ぎましたが、日本の鉄道は滅多に止まりませんね。優秀です。
車窓から見る景色は真っ白い世界ですね。
日本海側から三陸まで日帰りの旅、ただ、寒そうですね。
私から見ると、とても優雅な時間をお過ごしのようです。
羨ましいです。
もう列車など、乗ることもないでしょう。
ここでたくさん見せていただきます。
雪ですね。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
列車には色んなのがありますよね。乗って回るのはとても楽しいです。また鉄道旅続けます。秋田もかなり雪が降りました。明日から気温が上がるようなので、けっこう融けると思いますが、夜にまた氷点下になって道路がアイスバーンになるのが怖いです。
東北の鉄道も各地で運休しましたよ。秋田から青森方面と山形方面はほぼすべて運休し、それで岩手方面を選択したという次第です。大雪で線路が埋まって除雪が間に合わないこともありますから。でも自動車のような立ち往生は滅多にありませんよね。遅延は珍しくありませんが。列車はトイレがある分、自動車道の立ち往生よりましかも知れませんね。
列車の旅は楽しいです。旅の楽しみ方は人それぞれだと思いますが、私の場合は目的地で過ごす時間よりも、移動している時間を楽しむ方です。
私も鉄道旅は贅沢な旅だと思います。時間をたっぷりと使って。車窓の風景を眺めたり、おしゃべりしたり、眠くなったら眠り、読書したり。多分自宅にいたらやらないことやってます。いましばらくは鉄道旅を楽しもうと思います。
しかも、前面に雪が張り付いていて…。
いかにも雪国の列車という風で、
健気な感じを受けました。
大曲の雪景色も印象的です。
舞い落ちる雪の一粒一粒が輝いて、
イルミネーションよりきれいですね。
それにしても、雪景色の中の電車の旅、とってもロマンチックで別世界のように感じます。それも、臨機応変の柔軟な旅がいいですね。トラブルの対応もバッチリだったようで。
被災地の復興や今の穏やかな海を感じられたのではないでしょうか。もうすぐ、10年ですね。いつか、また東北をじっくり旅をしたいです。
青い森鉄道のラッピングはなかなか魅力的ですよね。ちなみに車掌帽を被った青い木のようなのはイメージキャラのモーリーです。
今年は例年以上に雪が多いです。大曲駅前もしんしんと雪が降っていました。秋田駅前は雪が止んでいましたが。
緊急事態宣言が発令されたても感染者の増加は収まりませんね。この異常事態、もっと危機感を持って頑張って乗り切らないといけませんね。鉄道旅もマスク着用で行ってます。旅ではトラブルはしょっちゅうですから、その場その場で対応を考えることがあります。そのときは大変でも後から楽しい思い出になることが多いです。宮古湾の海はとても穏やかでした。ここを津波が襲ったことが信じられないくらいです。海は時には恐ろしい存在になるのですよね。